【ソラノト】01.はじまり ものがたる 2016年02月29日 0 ソラノト1話目。ながいあらすじのような、下書きのような。ソラと能登の出会いと、はじまりと。5月。高校生活に慣れ始めた頃、ソラは日直を終えて帰ろうと、今はもう使われていない、ゴミ置場と化している焼却炉のある裏門へ向かった。正門よりも、そちらから出た方が家まで遠回りにならないことを覚えてから、ソラはしばしばそちらから出ていくことにしている。部活動に励む生徒たちの声を聞きながら、黒い鉄格子がわずかに開けられている裏門を抜けた。しかし、門を出たはずなのに目の前には校舎が見えた。ソラは校内に立っていた。振り返ると裏門はなくただの壁になっていたので、不思議に思いながら再び裏門へ向かう。しかし先ほどまで居た部活動をする生徒たちの姿は無く、嫌に静かな様子だった。裏門へ着くと、先ほどとは異なり、鍵がかかっていて出られない。しかたなく正門へ向かうと、こちらもまた門が閉まっている。不審に思いながら校舎内へ入るソラだったが、人の姿も声も無い。やがて職員室にたどり着き、扉を開けた瞬間、黒くて泥々した巨大な化物に遭遇する。驚き慌てて逃げだすソラ。その後を追うように黒い化物は追ってくる。ソラよりも速い速度で追ってくる化物に怯え、霧中で階段を駆け上がり、屋上の扉を開く。屋上の端まで逃げたが、扉の前には既に化物が居る。駄目だ、もう逃げられないーーと、思った瞬間、空から白髪の少年が、黒い化物の上からかかと落としをくらわした。怯む化物に、少年は軽快に殴り蹴り、黒い泥々が次第に小さくなってゆくと、それは人の姿になっていた。白髪の少年は完全に人の姿をしていた其れを抱え、ソラが入ってきた屋上の入り口を開く。勢い良く風が吹き付けてきた。少年はその扉の向こうへ人を放り投げて、激しい音と共に扉をしめ、鍵をかけた。その様子を唖然として眺めているしかなかったソラへ、少年は話しかける。「お前、どうやってココへ入ってきたんだ?」「お前、もしかして"扉"なのか?」「丁度いい!俺は"扉"を探してたんだ!」お前の名前は?この学校の生徒だな?と質問責めにされ、とっさに答えてしまうソラ。「うん、わかった。それじゃとりあえず、今日は気を付けて帰れよ」ソラは気が付いたら校外の裏門の外で立ち尽くしていた。きっと嫌な夢だったのだ、変な妄想だったのだと自分に言い聞かせて帰宅するが、翌日になり、ソラが登校すると、昨日の少年が教室へ訪ねてきた。「俺はノト!よろしくな、ソラ!!」 PR